1960年代以降、日本の食料自給率は長期的に減少傾向を続けており,先進国中最低水準となっています。つまり、日本人は国外の食料に大きく依存していることを意味しています。その結果、近年、日本政府は国内生産の増加を促進する政策と共に,国外の食料確保のための対外政策が大きな関心を見せてきた。その一例がTPPの交渉です。
 本講義では、日本外交とは何かを考えた上で、「食料」の観点から現代の日本外交、日本と食料生産国との関係、食料安全において日本社会が直面している問題などについて考えます。講義前半では、戦後日本外交史について勉強します。後半では、農業と戦争の関係を考えた後に、特定の「食料」に焦点を当て、現代の日本外交と食料について考えてみます。