物理学の導入的知識・手法について,講義と演習によって学習します。とくに,エネルギーの考え方にもとづいて,身近な自然現象や科学技術への応用に見られる物理学的背景について,概観を得ることを目指します。

コース前半では,まず物体を粒子(質点)で代表させて表し,その運動を調べます。運動は運動方程式によって詳しく分析されますが,主要な性質のみに限れば,力学的エネルギーを用いてより簡単に調べられることを学びます。コース後半では,より現実的な物体を質点の集合として表し,それらの力学的エネルギーの合計によってさまざまな現象をエネルギーの観点でとらえます。さらに場とそのエネルギーの考え方を導入することによって,空間を伝わるさまざまな作用も物理的実体として理解できることを学びます。

こうした概念や手法は,物理学全般への導入としてだけでなく,他の自然科学や応用科学の基礎としても重要です。とくに,前半で学ぶ力学は工学系,後半で学ぶ熱力学や電磁気学は生命科学系の学習にも活用できます。また,本学で開講される「基礎物理学」では,ここで学ぶ物理学(古典物理学)を前提として現代物理学を学び,「応用物理学」ではより現実的な現象への応用について学びます。「物理学実験」では古典物理学のいくつかのテーマについて実験を行います。

授業はあらかじめ指定された教材と課題での十分な予習が前提となります。授業時間の一部は講義形式ですが,大部分は履修者4名ずつのグループを単位とした演習により行われます。これらを通じた能動的学習(アクティブラーニング)により実践力や汎用的能力を養います。こうした授業内外の学習支援のためにMoodleを使用します。