現代物理学の導入的知識・方法について,講義と演習によって学習します。とくに,それらと身の回りの自然現象や日常生活における科学技術との関係について理解します。

現代物理学は,20世紀を通して発展した量子論と物性論,相対論と宇宙論,およびそれらの融合による素粒子論や弦理論などからなります。これらは19世紀末から20世紀初頭にかけて,それまで絶対視されていたニュートン力学を中心とする古典的体系では,原子・分子などのミクロの世界や電磁放射に関わる現象を正しく記述できないことが契機となり構築され,古典物理学を極限として包摂するより確かな物理学の体系をなしています。このコースでは,まず前半で現代的な原子論の成立過程を通して量子論を,後半で宇宙論とその理論的基礎づけとしての相対論を学び,現代物理学の特徴や技術的応用について概略的に理解することを目指します。観測や測定,理論にもとづく現象理解の方法は,他の科学全般に共通して役立てることができます。

授業時間の一部は講義形式ですが,大部分は履修者4名ずつのグループを単位とした演習により行われます。これらを通じた能動的学習(アクティブラーニング)により実践力や汎用的能力を養います。また,授業内外の学習支援のためにMoodleを使用します。なお,授業の理解に必要となる前提知識は,各回の導入部分でも一部確認されますが,あらかじめ指定された教材と課題での十分な予習に取り組むことにより準備することができます。